今日ももちろんネタはない!

び〜び〜び〜ビル・エヴァンス

最近こりずにジャズを聴いている。

どれを聴いたらいいのかわからないから

適当に選んでこれだ!これだ!と聴いているわけ

なのですが、

まぁ、それでもとりあえず聞いたことある名前で

選んでいますけどね。

うんうん。なんかアダルトな感じがします。

はい。単純です。

Waltz for Debby

Waltz for Debby

みなさん。こんにちは。ひつじいぬくんです。

タイトル通りのひつじいぬくんです。

てなわけで、今日はこんな感じでいきます。

どうぞ!

・・・・・

今夜も彼女が来ている。

ビルは横目でカウンターに座る彼女を見た。

彼女はビルがピアノを弾く時間になるとお店に来て

ビルのピアノが終わる前に帰ってしまう。

今夜のお客はパーティ
(なのだろうか?予約の一団だけが盛り上がっている)
に夢中でビルのピアノは必要ないみたいだ。

ビルは鍵盤からそっと手を離した。

一瞬彼女が驚いてこっちを見た気がした。

それはビルの気のせいなのか、

カウンターのほうにビルが目を向けたとき彼女は

いつものように頼んだカクテルを玩んでいた。

「今夜は誰も僕のピアノは聴いてないみたいだ。」

ビルは彼女の隣に座り話しかけた。

「・・・そうみたいね。」

彼女はカクテルを見つめながら答えた。

「君は今夜も聴いてくれないのかい?」

ビルは彼女のカクテルを見つめた。

彼女の瞳が青いカクテルに反射して見えた気がする。

「あら?演奏を止めたのはあなたじゃなかったかしら?」

彼女はカクテルから目を離してカウンターに並んだビンを眺めていた。

「ははっ。そうだね。」

「そうよ。」

彼女はまださっきと同じとこを眺めている。

「ねぇ?聞いてもいいかい?」

「質問にもよるけど、どうぞ。」

「どうしたら僕の演奏を最後まで聴いてもらえるかな?」

「・・・そうね・・・それは無理かもしれないわね・・・。」

ビルは彼女を見つめてその答えを求めた。

「そう・・・私にはピアノの音色は悲しすぎるからかしら・・・
 ・・・たぶんだけどね。」

彼女はカクテルに目を戻した。

その瞳に悲しさを、口元には微笑を含みながら。

「ねぇ、今夜はもう一曲弾こうと思うんだけど最後まで聴いてくれないかな?」

彼女はビルにその瞳を向けて、肩をすぼめて答えた。

「悲しさに負けてしまうかもしれないけど、
 それでもよければお願いするわ。」

ビルはピアノへと戻り奏で始めた。

今宵最後の曲「Waltz for Debby」を。

さて問題です。

ビルは彼女に恋をしていたのでしょうか?

答えは今宵の「Waltz for Debby」とあなたの心の中に。

ばわわん!